メッセンジャーRNA（messenger RNA）の略で、
細胞内での遺伝情報の伝達とタンパク質合成において中心的な役割を担う分子です。
DNAからの情報をタンパク質に変換する過程で、
mRNAは「 中間メッセンジャー」として機能します。
具体的な機能としては以下のステップを経ています。
１．転写
細胞の核内でDNAの遺伝情報がRNAポリメラーゼという酵素によって転写され、
mRNAが生成されます。
このプロセスは、遺伝子の特定の領域の情報をコピーすることで行われます。
２．加工
真核細胞では、mRNAは初期の前駆体mRNA（pre-mRNA）から
成熟したmRNAに加工されます。
この加工にはキャッピング、ポリアデニル化、プライシングが含まれます。
これにより、不要な領域（イントロン）が取り除かれ、
必要な領域（エクソン）が結合されます。
３．翻訳
成熟したmRNAは細胞核から細胞質に輸送され、
リボソームという細胞の構造体に結合します。
リボソームはmRNA上の遺伝情報を読み取り、
アミノ酸を正しく順番でつなぎ合わせてタンパク質を合成します。
これが翻訳と呼ばれます。
４．分解
タンパク質合成が終わると、
mRNAは分解され、その成分は再利用されます。
mRNAは医学やバイオテクノロジーの分野で大きな注目を集めています。
特に、COVID-19のパンデミック中に開発されたmRNAワクチンは、
特定のウイルスタンパク質のmRNAを人体に導入することで、
免疫反応を起こし、伝統的なワクチン開発よりも迅速に、
かつ柔軟に新しい病原体に対応するワクチンを開発することが可能になりました。
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